〒731-0103 広島県広島市安佐南区緑井6丁目35-1

お問合わせはこちら TEL:082-555-8880

広島市 安佐南区 整形外科 人工関節 前十字靭帯 半月板損傷 膝 股関節

関節鏡(内視鏡)手術

診療の案内

  • 膝の痛み
  • 股関節の痛み
  • 肩の痛み
  • その他の痛み
  • 当院のリハビリテーション
  • テーピングについて

手術の案内

  • 関節鏡(内視鏡)手術
  • 人工関節手術
MOBILE SITE
人工関節ライフ
人工関節ドットコム
人工関節の広場
サカ緑井病院 整形外科・内科・外科・麻酔科

関節鏡(内視鏡)手術

内視鏡とは、胃カメラなど、身体の内部を写し出して病気やケガの診断と治療を行う器具の総称ですが、中でも膝や肩、股関節などの関節に用いられる内視鏡を関節鏡と呼んでいます。

関節鏡を用いることにより、皮膚や筋肉を大きく切開することなく関節の中を観察でき、また幅広い治療への応用も可能なため、手術後の入院期間の短縮や早期社会復帰を実現する上で非常に有用です。

直径2mm~4mm程度の関節鏡を用い、その他の器具についても、先端の小さくなった関節鏡専用器具を使用するので、皮膚の傷は数mmから1cm程度で済むことがほとんどです。

従来から最も多く関節鏡が行われた領域は膝関節で、現在でも膝半月板損傷の手術や膝の靱帯損傷に対する手術などに、幅広く関節鏡が用いられています。

また肩関節も腱板損傷(断裂)肩の脱臼の治療などに関節鏡が応用されることが多くなり、術後の痛みを軽減させるなど、関節鏡の利点が十分に生かされている領域です。

その他肘や足関節の離断性骨軟骨炎などの治療にも関節鏡が用いられ、最近では徐々に股関節の関節唇損傷に関節鏡を行う施設が増えるなど、関節鏡の適応範囲は広がる傾向にあります。

関節への侵襲が少なく、術後感染の危険性も少ないと考えられますが、当然関節鏡手術の限界はあり、また手術のリスクが皆無というわけではありませんので、適応については担当医との十分な検討が必要です。

関節鏡下に行う主な手術

上記の説明の通り、今日関節鏡の適応範囲はかなり広がっており、以下に挙げた手術以外にも、関節鏡を用いる機会は少なくありませんが、当院で最もよく行われているいくつかの手術について概説します。

膝靭帯再建手術

主な膝の靱帯損傷のうち、前十字靭帯損傷後十字靭帯損傷の2つの十字靭帯損傷は一旦発生すると、自然治癒することがまれで、保存的治療も奏功しないことが多いため、関節鏡による手術(関節鏡下手術)を行います。

その際、断裂した靭帯を単純に縫合しただけでは十分に治癒せず、再断裂を起こす可能性が高いため、一般的には断裂した靭帯は縫合せず、代わりに膝周囲の腱などを十字靭帯部分に移植する、靭帯再建手術を行います。

移植する腱は膝の内側にある、ハムストリングと呼ばれる腱を用いること(STG法)が多くなっていますが、より強い靭帯を再建するために、膝蓋骨や脛骨の一部を含む膝蓋腱を移植腱として用いる方法(BTB法)も行われています。

関節鏡に必要な皮膚切開の他に、腱を採取するための数cmの皮膚切開が必要です。

十字靭帯の他にも、内側側副靭帯損傷外側側副靭帯損傷、さらに膝蓋骨脱臼の際に行う、膝蓋骨内側の靭帯(内側膝蓋大腿靭帯)の断裂、特に受傷から長期間を経て治癒しなかった陳旧性断裂に対して、靭帯再建手術が行われることがありますが、これらの靭帯の再建手術においては関節鏡の役割は十字靭帯ほど重要とは言えません。

膝前十字靭帯損傷に対する当院の治療方針

  • 前十字靭帯損傷があっても、スポーツ活動や肉体労働を行わない人で、日常生活にも支障をきたしていない人には、必ずしも手術を勧めない。(特に中高年では、手術しないで経過を見ることも少なくありません。)
  • 前十字靭帯が損傷し、その機能が失われた状態となってしまったら、治癒するまで原則としてスポーツ活動を休止するよう勧める。(前十字靭帯が機能していない状態でプレーを続けると、膝の亜脱臼などを生じやすく、半月板など他の関節内器官を損傷し、変形性関節症を併発してしまう危険性が高くなることが考えられるからです。)
  • 前十字靭帯再建手術を行う際には、受傷直後の疼痛や腫れの強い時期を避け、十分に膝の曲げ伸ばしが可能になってから行う。(膝の痛みが強い期間に手術を行うと、術後膝が硬くなって、十分に曲げ伸ばしできなくなる後遺症が残りやすくなると考えられています。)
  • 柔道やクラッシックバレーなど、ハムストリングの採取でその後のスポーツ活動に支障をきたすことが考えられる場合を除き、原則としてハムストリングを用いた靭帯再建(STG法)を行います。これは、骨の一部も採取するBTB法に比べてSTG法の方が術後の痛みが少なく、また若い女性の場合に手術に伴う皮膚の手術瘢痕が目立ちにくいという利点もあるからです。
  • 但し、より強い靭帯を再建したい、あるいは少しでも早くスポーツに復帰したいと考える方には、BTB法を行う場合もあります。
  • 合併損傷の程度にもよりますが、入院期間は7~10日程度で、スポーツ復帰までの期間はSTG法では10か月、BTB法では6か月を目安としています。

膝半月板切除手術・膝半月板縫合手術

膝の半月板損傷に対する手術は、治療に関節鏡が導入されて以来、最も歴史のある手術と言え、現在でも関節鏡の利点が最大限に生かされている領域の一つです。

半月板は組織学的には「軟骨」でできており、デリケートで損傷しやすいのと同時に、他の組織に比べて血液の供給が必ずしも十分に行われないため、一旦損傷すると治癒しにくいのも特徴です。

半月板を切除すると、二度と新しい半月板が再生することはなく、半月板を部分的に失うことにより、膝のクッション機能が低下するだけでなく、関節の不安定性を増すことにもなりますので、半月板の安易な切除は避けるべきと言えます。

一方、半月板の治癒能が低いために、せっかく半月板を縫合しても十分に治癒しないで再断裂にいたることもあり、半月板の部分切除を行うか、縫合するかについては慎重な判断を要します。

半月板損傷に対する当院の治療方針

  • 変形性膝関節症などに合併する半月板損傷に対しては、まずヒアルロン酸注射などの、一般的治療を行って、手術の必要性を慎重に判断する。
  • 手術が必要な半月板損傷の場合は、できるだけ半月板縫合手術を行う。但し、受傷から長期を経過し、半月板の傷みが著明な場合や、血液の供給が期待できない領域に断裂がある場合、変形性関節症に合併する半月板損傷などの場合には、部分切除を行うこともあります。
  • 入院期間は数日程度のことが多く、半月板切除の場合は術後すぐに全体重をかけて歩行することも可能で、膝の曲げ伸ばしにも制限を設けることはまれですが、半月板縫合を行った場合には、術後に装具などを使用して、半月板縫合部の再断裂を防止することが必要となります。

股関節唇切除・股関節唇縫合

膝や肩の関節鏡に比べると、股関節鏡の応用範囲はまだ限られているのが現状ですが、それでも近年では関節内遊離体(かんせつないゆうりたい)の摘出や滑膜切除(かつまくせつじょ)など、股関節鏡を用いる機会が少しずつ増えています。

股関節唇損傷においても、股関節の専門医を中心に関節鏡手術が行われるようになり、低侵襲で股関節の痛みを緩和する有用な手段と考えられるようになっています。

但し、特にわが国でのこの手術の歴史は浅く、臨床成績についてはまだ十分な統計があるとも言えないため、手術の効果や合併症、長期成績など、まだ不明な点もあるので、メリット・デメリットも含めた担当医の説明を十分に理解・納得して、手術に臨む必要があります。

股関節唇損傷に対する当院の治療方針

  • 変形性股関節症に合併する関節唇損傷に対しては、投薬やステロイド剤の関節注射など、保存的治療を行って、手術の要否を判断します。
  • 股関節鏡による関節唇損傷手術が必要と判断された場合は、膝半月板と同様に、まず縫合手術を試みます。
  • 中高年の関節唇損傷で、その損傷程度が著しい場合には、関節内に巻き込まれている部分を全て切除し、関節内に入り込んでいない領域は温存します。
  • 入院期間は関節唇縫合の場合が3週間程度で、関節唇切除であれば2週間程度です。術後体重をかけて歩行できるようになるまでの期間も1~3週間程度で、体重をかけないようにしている期間中は松葉杖などを用います。

骨切り術(骨の矯正手術)

膝や股関節の変形性関節症など、下肢関節の疾患においては、関節の中で体重が多くかかる部分と、あまり体重のかからない部分とを生じ、関節内各部位における負荷のかかり具合に偏りが生じることがあります。

この偏りを解消して、体重がかかり過ぎているせいで痛みや機能障害を起こしている状態を改善しようとするのが、骨切り手術です。

変形性膝関節症の場合、多くは下肢がO脚変形となりますから、膝の下あたりで脛骨を一旦骨切りし、O脚と逆の向き(X脚)になるように角度を調整して、再度骨をつなぎ、関節内側に集中した負荷を軽減して、痛みを取り除きます。まれにX脚変形を矯正するために、大腿骨を骨切りして、O脚方向に骨の向きを変えることもあります。

変形性股関節症の場合には、骨盤側(寛骨臼)部分を一旦切り離し、大腿骨との接触面積が増えるような位置に移動させて固定する方法や、大腿骨の関節に近い部分を骨切りし、負荷がかかり過ぎている部分の負荷が減るように角度を変えて、もう一度つなぐ手術が行われます。

大腿骨の骨切り手術は変形性股関節症だけでなく、大腿骨頭壊死症に対する手術としても、比較的よく採用されています。

骨切り術の利点

人工関節置換手術の場合には、挿入する人工物の耐用年数や緩みの問題があり、その点骨切り術では元来体にもっている組織を活かす手術ですから、人工物の緩みや磨耗という問題を避けることができるのが利点です。従って、比較的活動性が高い、若年者の場合にまず検討する術式と言えます。

また股関節の場合、術後の脱臼の頻度が少ないのも、骨切り手術の長所と言えるでしょう。

骨切り術の問題点

関節全体に病変が及んでいるような、進行した関節症では、骨切り術を行っても十分に症状が緩和しない可能性があります。

また、骨切りした部分が、術後に確実に癒合する必要があるので、一定期間活動を制限する必要が生じたり、入院期間が長くなりがちという点も骨切り術を検討する際に注意すべき点です。